「ピリ将」ピリっ娘が将棋倶楽部24で初段になる50の方法

期間限定で公開中。将棋で強くなるための上達法のあれこれ。難しい符号は一切なし。将棋以外にも応用できるので、ご愛読を。

終盤のコツ(補遺)【世界一詳しい】速度計算(堅さ計算)解説

将棋ブログ「リ将」

将棋倶楽部24(将棋ウォーズ)で初段になる50の方法

 

 

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速度計算と堅さ計算

 

 好評の世界一詳しいシリーズ。

 今回は、終盤のコツの連載とコラボレートしてみようと思う。

 

解説

 私シュうぇッチマンの実戦から。

 (私シュうぇッチマンは後手だが、便宜上、図は先後逆にしてある。)

 

 相手の石田流に対し、中飛車左穴熊で対抗。

 相手が早々に飛車先を突いてきたのをとがめ、先手勝勢に。 

 

図1

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 形勢判断をしてみよう。

 

(1)駒の損得 ▲大駒1枚と金銀7枚 △大駒3枚と銀1枚

   →▲金2銀1と△飛1の交換で、▲の金得(ただし歩切れ)

(2)駒の効率

  ⅰ 攻め どちらも働いている。

  ⅱ 受け 先手陣は金銀の守備、後手陣は玉のみ。 

  →▲2ー0で有利

(3)速度 手番は後手番

  →ただし、(2)により、玉へのスピードは▲の方が早い。

 

 以上により、金を取られても、駒損にもならないので、先手勝勢と言える。

 

再掲図1

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 図1は、▲2二金とした局面。格好つける必要はない。「寄せは俗手で」を地で行く、いわゆる待ち駒というやつ。玉の逃走ルートを塞ぐ。金一枚、たった一手で、相手玉の左側に壁ができあがった。実にお安い買い物である。右側へのルートも、馬が通せんぼ。繰り返し強調するが、終盤の基本は、挟撃(挟み撃ち)なのだ。

 いきなり詰将棋をはじめる人がいるが、プロ気取りはやめよう。まずは下ごしらえ。すなわち詰将棋以前、詰将棋の問題づくりからはじめる。終盤の勉強を、詰将棋のみにするピリ将の敵「詰め将棋至上主義」(「詰将棋唯一主義」)の弊害がここに如実に出ている。ピリ将本編でも触れているが、詰将棋は終盤力のほんの一部にすぎない。ゴルフのグリーンで、すべて1パットで決める人など、プロでも存在しない。寿司の握りも最後の微調整のところを見ても仕方がなく、右手でシャリを摑む瞬間を覚えなければすばやく握れない。将棋も同じことで、トッププロでもいきなり詰みにはできないわけで、詰みへ至るプロセスや技術を盗もう。

 ピリ将では、超基本から行く。「詰みとは何か?」「玉の周囲8マスの逃げ道を塞ぐこと。」ならば「玉は包むように寄せよ」の格言どおり、篤実に一つひとつ、ルートをつぶしていこう。ここでカッコつけてしまうのは、今度は次の一手の弊害。真面目にコツコツ。基本に忠実に8マス塞ぎをやることを覚えなければいけない。遠くに逃がしても捕まえられることを見越していれば妙手も出せるが、それは基本的には初段になってから覚えても十分間に合う。 

 改めて図1を見てみよう。相手は丸腰の玉である。残る逃走ルートは、真上の4三の地点のみ。下へ落ちるのは、金銀三枚なので詰みそう、否、詰む。△5一玉▲6二銀△4一玉▲3二金打(△4一玉▲3二金打△5一玉▲6二銀)まで。

 ▲2二金の前は、△2九竜だった。金取りなので、駒の損得を考えれば、受けるべきところ。序中盤なら、何か有効手をはさむにせよ、手を戻して100%近く受けると決まっている。ところが、最終盤なので、速度計算(堅さ計算)で勝負する選択肢もある。難解なら受ける。しかし、明解なら手抜いて、攻め合う。ここは5手読めば勝てるので、手抜いて金を打ったのである。5手詰めが解けるのに、こういう速度計算ができない人は、本当にもったいない。ここに終盤の勉強を、詰将棋のみにするピリ将の敵「詰め将棋至上主義」(「詰将棋唯一主義」)の弊害が(以下略)。

 「でも、速度計算って、何かよくわからないんだもの。」よろしい。今回はそういう読者の方のための講座である。

 

図2

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 図2は、相手が所期の目的完遂とばかりに竜で金を取ったところ。金得は大きい。「飛車と金は逃げよ。」これは全国大会直前の関西武者修行で得た古老に教わったあまりにも貴重な格言。飛車と金将を玉将並みに大事にトリートメントするようになれば、それだけで優に初段になれる。この局面では、と金をどかせば竜が自陣に利いてくる攻防の形にもなるので、部分的には好手だ。通常は、こんな手を許してよいはずがない。しかし、一般論として、勝ちきるためには、少なくとも一度は例外的な手を指す必要があるようだ。具体論として、ここでは5手先を読み、そういう局面と判断しているので、大丈夫。つまり、現状ではまだと金が邪魔しているというわけだ。もし次の5二とが王手になるなら考えなければいけないが、玉の位置は7八なので、もう一手ゆとりがあると判断した。「速度計算とは、”距離"である。」怖いが、相手の刃からの距離を見切ることなしに将棋は指せない。

 なるほど△6九竜は、唯一先手の恐れる手だが、後手も怖い。▲同玉のときにもう一枚駒を捨てないと王手がかからないからだ。また、先には飛車での王手も出てくるが、飛車が動くと、横利きが消えるので、後手玉は余計に危なくなる。△6九竜の竜切りに、具体的には▲同玉△5七桂▲同歩△5八金▲7八玉△7六飛▲7七銀△6九角▲8八玉△7八金▲同銀△同角成▲同玉△6九銀▲8八玉で逃れられる。途中、ケチらず▲7七銀の合駒が大事なところで、▲7七桂でも凌げるが、詰むや詰まざるやということになり、冷や汗をかくことになるので注意。

 棋力や時間の都合で、ここまで読めないなら、簡易法で大丈夫。こちらは金銀の傭兵がいるのに対し、後手玉は丸裸。相手は詰ますのに大きすぎるリスクが必要。相手の棋力は高段者じゃない。以上の情報により、大丈夫と判断する。簡単にいうと、陣型が2-0で2点差ということだ。1点差になっても大丈夫というわけだ。

 

図3

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 というわけで図3は▲5五桂と打って、全配備完了! 後手玉は完全に包囲された。あとは3二から、4三から、5一から王手をかければ勝ちだ。後手は先手玉を詰ますしかなくなった。怖いのは竜切りだが、全力で受けきれば勝利が待っている!

 

図4

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 図4は△6六桂と思い出王手をかけてきたところ。こういう手は取らないのがいい。将棋は逆転のゲームだから、何かねらっているに決まっている。いまさら駒得でもあるまい。念のため、後手のねらいを看破しておくと、▲同歩△7六飛▲6七玉△6六金▲6八玉△6七銀のようなトン死筋がある。他にも6七にぶち込んで、6一金を掠め取りつつ竜で王手する筋なども視野に入れているだろう。「速度計算とは、距離である。」を考慮に入れて、冷静にふるまおう。

 

図5

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 図5の8八玉で後手は投了。王手をかけるなら、▲7八金だが、△同銀とすれば、最終盤に突如、片美濃囲いが現出するから、勝負あり。後手玉は言うまでもなく、必至。▲4三銀△5一玉▲4二金までの簡単な3手詰めがある。仮に5二とと攻防手を放たれても、▲3二金打△5一玉▲6二銀で、やはり3手詰め。4三と3二を同時に受けるなら△4三銀などがあるけれども、それには▲3一銀△5一玉▲4二金で、案の定、3手詰めだ。他の受けでも詰むので、ご確認あれ。

 王手は一切かけずして勝った。これが必至だ。級位者は必至は難しいと思うだろうが、そんなことはない。詰みに難易があるように、必至にも難易があって、易しいものもある。必至の基本は、退路封鎖、玉の周囲8マスを塞ぐことと知ろう。シャッターを1枚1枚降ろしていくイメージ。

 

おわりに

 ここまで読んでみて、いかがだっただろうか。「こんな危ない橋を渡るなら安全勝ちを目指す。」そんな意見もきっとあるだろう。それも一理ある。実は速度計算は難しいということがわかってもらえたら、本望である。だから、特に級位者は安全勝ちの大切さを肝に銘じて、なるべく危ない橋は渡らないほうがいいというメッセージも発しておきたい。しかし、ピリ将の哲学は、二者択一は選ばない。時には危ない橋を渡ってみようと提唱する。そうしないと、いつまで経っても上達しないから。終盤の読みの精度を高めるためにも、速度計算をしよう。一気に強くなれるはずである。細かく書けば、ややこしいが、ポイントは2つ。玉の周囲の駒の数が2対0で2点差のアドバンテージがあることが1つ。もう1つは、王手がかかる距離の問題。言い換えれば、玉の堅さと広さということになる。自玉をいわゆるZ(ゼット、絶対に詰まないの略)に近づけつつ、相手玉を必至(絶対に詰む)に漸近させる。プロ棋士は、自陣と敵陣を交互にめまぐるしく目配りしているのをテレビ等で見たことがあるだろう。このスリルこそが将棋の醍醐味なのだから、級位者もこの記事を繰り返し読んで、速度計算にチャレンジしてみてほしいと希う。

 

 

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